特集 過敏性肺炎の基礎と臨床 アップデート
Ⅷ.夏型過敏性肺炎
飯島裕基
1
Yuki Iijima
1
1東京医科歯科大学呼吸器内科
pp.1568-1576
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018121568
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夏型過敏性肺炎はトリコスポロン属を反復吸入する事で発症する。通常は急性過敏性肺炎としての臨床像を呈するが慢性例の報告もある。発症には,気候や住居環境などの環境要因と,喫煙歴やhuman leukocyte antigen(HLA)抗原などの宿主要因が存在する。免疫学的には,抗原曝露直後の免疫複合体形成によるⅢ型アレルギーと,その抗原が残存する事によるⅣ型アレルギーが関与する。実臨床では病歴と共に,画像所見や気管支肺胞洗浄液(BALF),免疫学的検査,環境誘発試験,病理所見により総合的に診断する。治療では抗原回避が最重要であるが,ステロイド投与が行われる事もある。