特集 職業性アレルギー疾患診療ガイドライン発刊について
III.職業性皮膚疾患
高山かおる
1
Kaoru Takayama
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野講師
pp.781-788
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201405031
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職業性疾患の中で皮膚疾患の占める割合は最も高い。その中でも職業性接触皮膚炎が職業性皮膚疾患の90%を占める。接触皮膚炎の診療は原因となる物質を特定し,取り除くことであるが,原因を推測すること,またパッチテストにて実際刺激反応やアレルギー反応がおこるかどうか確認すること,そしてそれらの原因を取り除く方法をよく知ることが必要である。しかしながら,たとえ原因が特定できたとしても職場や職業に関与した接触皮膚炎では,原因との接触を断つことは難しく,症状の重症化や慢性化をもたらし,また,行く行くはその職を続けにくいなど,患者のQOLを非常に損ねる結果になる。また職業性接触蕁麻疹は I 型反応でありながら慢性の湿疹病変を呈することがあり,診断や診療に苦慮する場合が多い。以上の問題を解決する目的で職業性アレルギー性皮膚疾患ガイドラインは作成された。