特集 Precision Medicineのための難治性喘息の病態と治療
Ⅱ.難治に関与する因子 4.喫煙,COPD合併
柳澤悟
1
,
一ノ瀬正和
2
Satoru Yanagisawa
1
,
Masakazu Ichinose
2
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
2東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野教授
pp.902-908
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201707066
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喫煙は気管支喘息の発症寄与因子のみならず増悪因子でもあり,気道炎症増強を介して病状管理・治療反応性に負の影響を与える。電子タバコも,紙巻タバコと同様に気管支喘息発作を誘発する可能性があり,喘息患者においてはあらゆる喫煙は避けるべきである。さらに,喫煙は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の寄与因子でもあり,最近,気管支喘息にCOPDを合併するACO(Asthma-COPD overlap)の重要性が注目されている。ACOにはいまだ統一した診断基準はないが,双方の疾患要素を考慮に入れた治療戦略の選択が必要となる。