特集 Precision Medicineのための難治性喘息の病態と治療
Ⅱ.難治に関与する因子 1.合併症 2)GERD(胃食道逆流症)
灰田美知子
1
Michiko Haida
1
1半蔵門病院副院長/アレルギー呼吸器内科
pp.866-877
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201707030
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胃食道逆流症(GERD)が咳嗽の原因となり呼吸器疾患と誤認される反面,喘息などの呼吸器疾患ではGERDの合併が多い。喘息の合併症を,鑑別せずに,大量の全身性ステロイドを使用した場合,GERDや副腎機能低下を招き,その結果,却って難治性喘息と判断されることがある。難治性喘息では,当初からGERDや副腎不全を念頭に入れて,治療すべきであり,その際,類縁疾患である非びらん性胃食道逆流症(NERD)やlaryngo-pharyngeal reflux(LPR)の存在についても留意が必要である。