特集 Precision Medicineのための難治性喘息の病態と治療
Ⅱ.難治に関与する因子 1.合併症 3)呼吸器感染症
松瀬厚人
1
Hiroto Matsuse
1
1東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科教授
pp.878-883
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201707042
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呼吸器感染症は気管支喘息の病態形成に深く関与している。喘息は免疫不全ではないが,ウイルス,真菌,一般細菌に対する感染免疫能が低下しており,感染症の影響をうけやすい。感染による喘息の難治化にはステロイドが無効な好中球性炎症が関連している。現時点ではマクロライド系抗菌薬や抗真菌薬の使用が可能であるが難治性喘息に対する効果は十分ではなく,今後は好中球性炎症に効果のある新たな薬剤の開発が重要である。