増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
蛋白
IgE,アレルゲン特異的IgE抗体(RAST),アレルゲン特異的IgG抗体
東田 有智
1
,
川合 右展
1
1近畿大学医学部第4内科
pp.222-223
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906318
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
気管支喘息を代表的疾患とするI型アレルギー反応は,抗原(アレルゲン)によるIgE抗体の誘導に始まる.このアレルゲン特異的IgE抗体の存在は,決してアレルギー疾患の病態すべてを説明しうるものではないが,原因となるアレルゲンを見いだすのに有用で,診断とその後の治療上きわめて重要である.この目的のため,また安全性の点から,今日ではin vivoよりもin vitroでアレルゲン特異的IgE抗体を検出する方法が一般に用いられ,行われている.
IgE RAST(radioallergosorbent test)法は,その代表的検出法である.それに対し特異的IgG抗体,なかでもIgG 4抗体はshort-term sensitizinganaphylactic antibody,あるいは遮断抗体(blocking antibody)として注目されているにもかかわらず,その臨床的意義については一定の見解は得られていない.しかし,アトピー性疾患でIgE抗体が高値であると同時に,特異的IgG抗体,IgG1抗体およびIgG4抗体も高値を示す傾向があり,特異的IgG抗体の測定は臨床的に有用な情報が得られる可能性がある.
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