特集 好酸球性炎症 アップデート
Ⅸ.好酸球を標的とする治療:生物学的製剤を中心に
佐野安希子
1
,
東田有智
2
Akiko Sano
1
,
Yuji Tohda
2
1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科学医学部講師
2近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科学教授
pp.644-653
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201705080
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好酸球関連疾患の治療における最近の生物学的製剤治療の臨床的発展はめざましい。難治性喘息に対する生物学的製剤開発の初期においては,IL-5を標的とした薬剤に関心が集中していたが,現在は,さらに喘息の主たる病態であるTh2型免疫反応に関与する分子を標的とした薬剤を中心に研究開発が進んでいる。今後,生物学的製剤は抗喘息薬の中でより重要な位置を占めるようになると考えられるが,全ての患者に有効ではないことから,標的分子の機能を示すバイオマーカーに基づいて投与対象を絞り込む重要性が示されている。