特集 好酸球性炎症 アップデート
Ⅹ.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
釣木澤尚実
1
,
押方智也子
1
Naomi Tsurikisawa
1
,
Chiyako Oshikata
1
1国立病院機構埼玉病院呼吸器内科
pp.654-661
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201705090
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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)はアレルギー疾患を背景に末梢血好酸球増多を伴う全身性壊死性血管炎である。喘息経過中に発症することが多いが,早期診断は難しいことも多く,治療開始後に新たな臓器障害が出現することがあること,ステロイド,免疫抑制剤治療後も心病変や多発単神経炎は十分に改善しないことがあること,一度寛解した後も再燃することもあるため管理が難しい疾患である。心病変,消化管病変,腎病変などの予後不良因子を有するEGPA症例に対しては早期治療介入を行い,ステロイド,免疫抑制剤に治療抵抗性である場合はIVIG療法を考慮する必要がある。