特集 花粉症研究の進歩
Ⅹ.咳,下気道に関する研究
東本有司
1
,
東田有智
2
Yuji Higashimoto
1
,
Yuji Tohda
2
1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科准教授
2近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科教授
pp.350-355
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703074
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花粉症は慢性咳嗽や気管支喘息など下気道疾患に影響することは周知のこととなっている。また,花粉症の治療をすることで気管支喘息のコントロールが改善することもしばしば経験する。花粉症では免疫療法が発達しほぼ確立された治療法となりつつあるが,気管支喘息に対する免疫療法の効果は確立されていない。しかし,最近の研究報告から花粉やハウスダスト・ダニのアレルゲンによる免疫療法が気管支喘息の自然経過を改善させる可能性が示唆されている。花粉症と下気道疾患との関連について検討した最近の研究報告について解説する。