連載 アレルギーにかかわる免疫学の知識 (5)
アレルギーとレギュラトリー細胞
矢田純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学名誉教授
pp.1142-1148
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201608100
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免疫応答が過剰にならないように,生体に不都合な免疫応答が生じないように,免疫応答に歯止めをかける細胞がある。免疫応答に制御をかけるのでレギュラトリー細胞と呼ばれるが,CD4+CD25+Foxp3+レギュラトリーT細胞,Th3細胞(TGF-βを産生),Tr1細胞(IL-10を産生)が代表的なものである。レギュラトリーB細胞,レギュラトリー樹状細胞も存在する。レギュラトリーT細胞は主としてT細胞の反応を抑えるが,アレルギーにおいてもB細胞のIgE産生を補助するTh2細胞を抑制するレギュラトリーT細胞の存在はアレルギーの発症を阻止する上で重要であろう。