連載 アレルギーにかかわる免疫学の知識(9)
T細胞が起こすアレルギー
矢田純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学名誉教授
pp.1730-1736
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201612124
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多くのアレルギーにおいてIgEが主役となっているし,他のクラスの抗体が起こすアレルギーもある。一方抗体の関与なしにアレルゲンに対するT細胞の反応によるアレルギーが存在する。接触皮膚炎がその代表である。IgEによるアレルギーがアレルゲンの侵入から数分,数十分で発症するのに対し,この反応では発症に1両日を要するので即時型アレルギーに対比して遅延型過敏反応という。Th1細胞,Th17細胞,Th2細胞CD8+T細胞からのサイトカイン,細胞傷害物質の産生により炎症反応,組織傷害がもたらされる。どのT細胞サブセットが主体となるかは状況による。