連載 アレルギーにかかわる免疫学の知識(7)
抗原の侵入経路と獲得免疫の応答-アレルギーとの関係
矢田純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学名誉教授
pp.1416-1424
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201610090
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免疫系は局在部によって異なった構成をしており,抗原の侵入経路ごとに特徴のある免疫応答が誘導される。どの経路からのアレルゲンの侵入がIgE抗体の反応を誘導しやすいか,あるいは誘導しにくいかを知ることは,アレルギーを予防したり治療したりする際の重要なポイントとなろう。消化管からの抗原の侵入はレギュラトリーT細胞の分化やIgAの産生を導きやすい状況にあり,それは舌下免疫療法,経口免疫療法が治療効果をあげている論拠となっている。