特集 エイズの臨床 アップデート
Ⅸ.細胞傷害性T細胞(CTL)とウイルス逃避
村越勇人
1
Hayato Murakoshi
1
1熊本大学エイズ学研究センター滝口プロジェクト研究室
pp.692-701
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201605080
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HIV感染症では,HIV特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が誘導され,体内でのHIV増殖を抑制する。しかしながら,HIV増殖抑制能を有するCTLが誘導されると,HIVは変異することでCTLからの攻撃を逃れる。さらに,変異したウイルスは,感染を繰り返すことで集団内に蓄積していく。本稿では,HIV感染症におけるCTLの役割ならびにCTLによって選択された逃避変異ウイルスの蓄積について紹介する。また,最近着目されている変異性の低い領域を標的としたCTLについても解説する。