特集 小児アレルギー疾患の新知見
Ⅰ.疫学 2.小児アレルギー疾患のフェノタイプ
伊藤靖典
1
Yasunori Ito
1
1富山大学大学院医学薬学研究部小児発達医学講座
pp.494-501
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201604020
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アレルギー疾患の発症には生体因子と環境因子が関与しており,臨床症状には多様性が見られる。疾患を様々な見方で臨床的に分類したものがフェノタイプ(phenotype)であり,大規模な出生コホート研究や統計学の進歩によって近年報告が増加している。更にゲノムワイド関連分析によって疾患に関連した遺伝子多型によるジェノタイプ(genotype),疾患メカニズムに基づくエンドタイプ(endotype)も明らかになりつつある。また逆に,これまで考えられてきた病態像が,複数のフェノタイプの集合体として認識していたのではないかとの指摘もされている。