特集 アレルギー疾患対策
アレルギー疾患の発症要因と予防可能性
荒川 浩一
1
1群馬大学大学院医学系研究科小児科学
pp.588-593
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208942
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はじめに
近年,アレルギー疾患は,西欧化した社会において罹患率が著明に増加しており,健康的にも社会・経済的にも多大な負担をもたらしている.アレルギー疾患は小児において最も一般的な慢性疾患であり,時間とともに一部は寛解するが,治癒することなく成人まで継続することも多く,健康上の重大な懸念事項となっている1).
免疫学などの進歩によって,アレルギー疾患の病態ならびに発症機序の解明に関する研究は加速度的に進歩している.しかし,アレルギー疾患の発症要因は多様であり,発症機序の解明が必ずしも発症予防策の実用化につながるとは限らず,今後の大きな課題となっている.本稿では,アレルギー疾患の発症要因および発症予防策について,これまでの国内外の最近の研究成果に基づいて解説する.
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