特集 知っておきたい「アレルギー」の話
どんな子がアレルギーになりやすいのか―アレルギー発症の予防
高増 哲也
1
1神奈川県立こども医療センターアレルギー科
pp.113-117
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100662
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アレルギーは本来無害な物質に対する免疫反応である。アレルギーが病態に関与するアレルギー性疾患には気管支喘息やアトピー性皮膚炎,食物アレルギーなどがあるが,これらの疾患の治療法は進歩し,例えば気管支喘息が重症なために日常生活が困難となっているこどもは過去にくらべるとずいぶん減っている。しかしながら,アレルギー性疾患の罹患率は近年増加しているといわれている。いったん発症してしまったアレルギーを治療することに成功はしても,それを治癒に導くことやそれ以前にアレルギー発症を予防することには成功していないといわざるをえない。それはアレルギー発症のしくみの中で,どの部分がアレルギーの増加の原因になっているかがまだ正確につかめていないことによるであろう。本稿ではアレルギー発症の予防について現時点でどこまでがわかっているのかを述べる。
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