特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
Ⅳ.Innate lymphoid cellと皮膚のアレルギー炎症
大塚篤司
1
Atsushi Otsuka
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座皮膚科学
pp.198-205
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602036
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アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚アレルギー疾患は古くから獲得免疫を主体とした病因が考えられている。近年,自然免疫担当細胞が獲得免疫の機能を調整することや,直接的に働きかけることで皮膚アレルギー疾患の病態に関与することがわかってきた。新規リンパ球サブセットであるInnate lymphoid cell(ILC)はその産生するサイトカインプロファイルからILC1,ILC2,ILC3と分類される。ILC2はアトピー性皮膚炎,ILC3は乾癬の病態に関与する。さらにILC2と顆粒球の相互作用,バリア機能との関係もわかってきた。今後,皮膚アレルギー疾患におけるILCの詳細な役割が解明されることだろう。