特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
Ⅴ.マイクロビオーム異常と治療戦略
出来尾格
1
Itaru Dekio
1
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科講師
pp.206-211
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602044
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ヒト皮膚のマイクロビオーム(常在菌叢)は,皮膚に生息する多彩な細菌・真菌の集合体である。これについての知見は,分子生物学的網羅解析法の進歩により近年大きく発展した。アトピー性皮膚炎(AD)においては,黄色ブドウ球菌の増加が古くから知られているが,近年これが分子生物学的手法により裏打ちされた。抗菌薬投与や消毒薬の塗布は大部分のAD症例には有効ではないが,従来試されていない方法での治療オプションに微生物学的見地から有望なものがある。