原 著
スギ花粉症に対するプランルカスト(オノン®)の有効性に関する検討(第2報)-花粉飛散量と患者満足度との関連-
荻野敏
1
,
川内秀之
2
,
原田保
3
Satoshi Ogino
1
,
Hideyuki Kawauchi
2
,
Tamotsu Harada
3
1大阪大学
2島根大学医学部耳鼻咽喉科
3川崎医科大学耳鼻咽喉科
キーワード:
スギ花粉症
,
プランルカスト
,
満足度
,
初期治療
Keyword:
スギ花粉症
,
プランルカスト
,
満足度
,
初期治療
pp.104-115
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201501104
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スギ花粉大量飛散年であった2013年におけるピーク時の症状はプランルカスト初期治療群では飛散期治療群に比べいずれの鼻眼症状,QOLも軽症化が認められ,多くの項目で2群間に有意差が認められた。患者満足度は初期治療群では75.1%であり,飛散期治療群では70.9%と,ともに70%以上の満足度が得られたが初期治療群の方が高率であった。また,鼻眼症状,QOLのすべてにおいて,「満足している」,「やや満足している」と答えた患者の方が「どちらともいえない」,「分からない」と答えた患者よりもスコアは低値であり,多くの項目で両群間に有意差が認められた。同様に「満足」と回答した患者のスコアは鼻眼症状,QOLのすべてにおいて初期治療群の方が低値を示し,有意に初期治療群で良好であった。花粉飛散量が少なかった2012年の成績と比較し,花粉飛散量の多い2013年では初期療法の有効性がより高く,それが満足度と関連するような成績が得られた。 治療に対する満足度は,本人の自覚(治療の有無,症状,QOLなど)だけでなく,治療法,治療期間,薬剤費用などを総合的に判断して得られるものと思われ,花粉飛散量の多い年には初期治療の有効性が飛散期治療群に比較し,より高いと思われることから,患者の満足度を高めるためには初期治療は有用で,特に花粉飛散量が多いと予想される年にはより勧められる治療になると考えられる。