特集 気道炎症の評価
I.内 科 5.breathprint,電子鼻(electronic nose)の有用性
村松礼子
1
,
望月博之
2
Reiko Muramatsu
1
,
Hiroyuki Mochizuki
2
1嵯峨小児科医院副院長
2東海大学医学部専門診療学系小児科学教授
pp.1384-1391
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510046
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呼気中の揮発性有機化合物(volatile organic compounds:VOCs)パターンを,呼吸器疾患のバイオマーカーとして使用する研究が報告されてきている。電子鼻は,呼気中のVOCsから特定のパターンを認識するシステムである。一定の流速で呼出された呼気をセンサーで識別し,呼気中のVOCsパターンを構成する。非侵襲的に呼気の炎症評価ができ,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患,肺癌等の呼吸器疾患の診断に有用であることから,今後は病態評価や治療効果,薬理作用などの評価にも使用できると思われる。しかし,現在のところ,標準化された測定方法はなく,施行できる施設も限られている。