特集 気道炎症の評価
II.耳鼻咽喉科 1.血清バイオマーカー:補体・TH1/TH2/TH17サイトカイン・TSLP
山田武千代
1
,
坂下雅文
2
,
意元義政
2
,
藤枝重治
3
Takechiyo Yamada
1
,
Masafumi Sakashita
2
,
Yoshimasa Imoto
2
,
Shigeharu Fujieda
3
1福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 准教授
2福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
3福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 教授
pp.1392-1396
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510054
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
国民病といわれるスギ花粉症1)に対しては保険診療として舌下免疫療法が行われるようになった。症状スコアのみならず,客観的に治療効果を判定できるバイオマーカーの研究は重要な課題の1つである。簡易に測定できるものとして末梢血の血清に注目して,スギ花粉症に対する長期舌下免疫療法のバイオマーカーを観察した。スギ花粉症に対する舌下免疫療法4年目で,血清complement components 3a(3a),C5a,interleukin(IL)-4,IL-17A,thymic stromal lymphopoietin(TSLP)は(1年目と比較して)有意な減少が認められた。舌下免疫療法4年目の血清IL-17AとTSLPレベルは舌下免疫療法4年目の症状薬物スコアと有意な相関が認められた。舌下免疫療法の作用機序についても概説する。