特集 気道炎症の評価
I.内 科 4.呼気凝縮液の実際と展望
大林王司
1
Ohji Ohbayashi
1
1練馬光が丘病院呼吸器内科部長
pp.1378-1383
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510040
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各種呼吸器疾患のコントロール状態の評価に,気道炎症を反映するバイオマーカーが望まれる。末梢気道炎症の評価には,極細気管支鏡による検体,喀痰メディエーターがあるが,処理に時間を要し,侵襲性が欠点である。 呼気凝縮液(EBC)とは安静換気時の呼気を急速冷却し,得られる凝縮液のことである。呼気によりエアロゾル化された気道被覆液が反映される。各種肺疾患に特有のバイオマーカーが測定可能だが,含有量が極めて微量で,検体測定法と保存条件に検討を要する。 HGF,VEGFなど増殖因子が,都市部PM10と有意な相関を示すことを見出した。遺伝的に高感受性群が明確になれば,今後の有効な環境対策の発展が期待される。