特集 原発性免疫不全症候群 アップデート
IV.既知疾患(概念)と近年同定された疾患のトピックス 5.補体欠損症
安戸裕貴
1
Hiroki Yasudo
1
1東京大学大学院医学系研究科小児医学講座
pp.1242-1251
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201509082
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補体欠損症では,生体防御機能の低下や免疫複合体除去能の低下による易感染性やSLEなどの自己免疫疾患を呈するが,その他にも補体制御因子の欠損では,aHUSやPNHの症状を呈することがある。特にC1インヒビターの欠損である遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)は,〈1〉 皮下浮腫,〈2〉 消化器症状,〈3〉 喉頭浮腫などの特徴的な発作所見を有する。近年では,「C1インヒビター欠損を伴うHAE」以外にも,「C1インヒビター欠損を伴わないHAE」や「後天性血管性浮腫」なども知られるようになり,注目されている。