特集 原発性免疫不全症候群 アップデート
IV.既知疾患(概念)と近年同定された疾患のトピックス 6.Phenocopies of PID
山田雅文
1
Masafumi Yamada
1
1北海道大学病院小児科学分野講師
pp.1252-1258
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201509092
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原発性免疫不全症(PID)の多くは単一遺伝子疾患であり,類似した表現型(phenotype)が複数の遺伝子の異常によって生じるgenocopiesが数多く存在する。一方で,胚細胞レベルでの遺伝子異常に直接起因しないが遺伝子疾患と類似したphenotypeを呈するphenocopiesの報告は,主に2000年代から次第にみられるようになった。2014年のPID国際分類で初めて“Phenocopies of PID”というカテゴリーが加えられ,体細胞変異によるものと自己抗体によるものがここに分類されている。網羅的な遺伝子解析法の普及によるPID新規責任遺伝子の発見と並行して,“Phenocopies of PID”に分類される疾患も今後さらに増えていく可能性がある。