特集 原発性免疫不全症候群 アップデート
IV.既知疾患(概念)と近年同定された疾患のトピックス 2.抗体産生不全症(分類不能型免疫不全症)
金兼弘和
1
,
満生紀子
2
Hirokazu Kanegane
1
,
Noriko Mitsuiki
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科発生発達病態学分野 准教授
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科発生発達病態学分野
pp.1214-1222
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201509054
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
抗体産生不全症は骨髄から末梢におけるB細胞分化過程のどこかに欠陥があるために発症する原発性免疫不全症であり,頻度的に最も多い。分類不能型免疫不全症は末梢において抗体産生細胞への分化障害によって生じる疾患であり,雑多な原因がある。ICOSの発見以来,さまざまな原因遺伝子が同定されてきているが,全エキソーム解析などの解析技術の進歩によって,さらに多くの原因遺伝子が同定されてきている。最近同定されたNFKB経路異常,PI3K異常,E2A欠損症,TWEAK欠損症について解説する。