特集 好酸球性副鼻腔炎と周辺疾患
I.好酸球性副鼻腔炎 総論
吉川衛
1
Mamoru Yoshikawa
1
1東邦大学医療センター大橋病院耳鼻咽喉科教授
pp.16-21
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201501016
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近年,好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる難治性の副鼻腔炎が増加している。気管支喘息などの下気道疾患を伴うことが多く,鼻副鼻腔粘膜に著明な好酸球浸潤を示し,従来通りにマクロライド療法や手術治療を行っても再発を繰り返すことが多い特徴をもつ。2001年にこの疾患概念が初めて提唱され,14年経過した現在でも病態の詳細な機序は解明されていない。治療については,経口ステロイドの有効性は示されているが,副作用の問題もあり,手術による副鼻腔の単洞化ののちに,鼻噴霧用ステロイドや洗浄などの局所治療で維持するのが望ましい。