特集 好酸球性副鼻腔炎と周辺疾患
序 ~好酸球性副鼻腔炎は日本独自の疾患概念なのだろうか?~
藤枝重治
1
Shigeharu Fujieda
1
1福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
pp.11-15
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201501011
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1990年代後半から,成人発症,高度な嗅覚障害,両側鼻茸,篩骨洞優位の陰影,好酸球浸潤優位の鼻茸,高い末梢好酸球率を示し,気管支喘息,アスピリン過敏症を合併する慢性副鼻腔炎が増加してきた。この疾患は,鼻茸が再発しやすく,難治性である問題点を有する。さらにこの疾患は,吸入ステロイドに気管支喘息治療が変化してきたことに比例して増加してきた。好酸球浸潤の多い慢性副鼻腔炎に関しては,欧米においてもその概念は存在している。診断,重症度分類は確立できつつあるが,ステロイド以外の治療法の確立が急務である。