特集 職業アレルギーと職業・環境関連免疫異常疾患
III.低濃度化学物質曝露が及ぼすアレルギー疾患への影響 1.環境ホルモンのアレルギー疾患発症における子孫への影響
堀内照美
1
Terumi Horiuti
1
1University of Texas Medical Branch, Department of Pediatrics
pp.948-953
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201507040
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近年の喘息罹患率の上昇の一因として環境要因の変化が考えられる。近年産生量が増加している環境ホルモンの1つBPAはポリカーボネートの単体であり飲食物の容器として広範囲に使用され,胎盤経由で胎児に移行し乳汁中にも分泌される。BPAの喘息,アレルギー疾患発症への影響を検討した疫学調査と動物モデルを用いた報告をまとめた。疫学調査では報告により尿中のBPA濃度と対象,次世代における喘息の発症との相関の有無が分かれた。動物実験ではBPAに経母体曝露されたマウスでは小児期の喘息発症が有意に上昇していた。