連載 記憶に残る症例(5)
「感冒」により症状悪化と蕁麻疹発症が同時に生じた特異環状疹を示す幼児アトピー性皮膚炎の一例
青木敏之
1
Toshiyuki Aoki
1
1あおきクリニック院長
pp.550-554
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201403166
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生後6カ月より継続診療していたアトピー性皮膚炎の3歳男児に,突然皮膚炎の悪化と蕁麻疹の発症がみられ,翌日に鼻閉症状があり耳鼻科でアレルギー性鼻炎と診断されていたが,血液検査により白血球増多,好中球増多が認められたので感冒により湿疹の悪化と蕁麻疹が同時に誘発されたと考えられた珍しい症例と思われる。なお,この患児には経過の一時期に特異な環状疹が観察された。これはAnnular Erythema and Papules in Infantile Atopic Dermatitisと考えられる。