Japanese
English
--------------------
蕁麻疹に対する皮膚反応について
SKIN TEST FOR URTRICARIA
平井 義雄
1
Y. HIRAI
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Dept of Dermatology, Yokohama University School of Medicine
pp.285-289
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203250
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
蕁麻疹は皮膚疾患としては非常にありふれたものであるが,その真の原因については尚不明な点が多い。古くよりアレルギー説がとられ,伊藤名誉教授1)は次の諸因子をその原因としてあげておられる。即ち,(1)皮膚接触機因によるもの,(2)食餌によるもの,(3)薬物投与によるもの,(4)異種蛋白によると思惟されるもの(病巣感染を含む),(5)物理的影響に由来するもの(人工,光線,寒冷温熱性蕁麻疹),(6)労働及び疲労によるもの,(7)精神感動に関するもの。またScheldon, LovellMathews2)等によると(1) drug,(2) food,(3)infection,(4) Psychic factorに分類している。
これらの中,食餌性アレルギーが最も重要な因子と考えられており,藤浪教授3)は452例の蕁麻疹患者中138例に食品が関係ありと述べ,上林氏4)は蕁麻疹の大部分はそのアレルゲンを実に食餌性に有すと述べている。然し少しく蕁麻疹の症例について詳細に観察した場合,蕁麻疹と食餌との関係には頗る曖昧な例が多く,その結果慢性蕁麻疹に於ては多くの場合真のアレルゲンを明瞭にすることが出来ず,非特異的療法を施行し,一時を糊塗しているといつた状態である。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.