特集 高齢者のアレルギー性皮膚疾患
VI.高齢者の薬疹とその特徴
浅井俊弥
1
Toshiya Asai
1
1浅井皮膚科クリニック院長
pp.278-287
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201402070
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高齢者の多くは複数の疾患を抱え多剤を内服している。したがって薬疹を生じる機会も多く,日常診療でもしばしば遭遇する。薬疹が生じた場合は,原因薬剤の中止が原則であるが,複数の薬剤が投与されている場合には,薬疹の被疑薬の同定が容易ではない。さらに,高齢者では薬剤が関与しているかの判断がつきにくい皮膚病変も稀でなく,診断や治療に苦慮する症例も少なくない。ただし,薬剤によって決まったタイプの薬疹を生じやすいものがあることを認識しておくと診断の助けになるので,報告される副作用については常に目を光らせておく必要がある。