特集 産婦人科薬物療法の基礎知識
薬疹の特徴と診断
安田 利顕
1
Toshiaki Yasuda
1
1東邦大学医学部皮膚科教室
pp.953-957
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204700
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薬疹drug eruptionsは,薬剤の内用,ときに外用に続発して発生してくる中毒性の皮膚病変の総称である。したがつて中毒疹toxicodermaの一型で,薬剤によるものをいつている。そのほかワクチン,血清剤によるものも,このなかに含まれている。ここで外用と書いたのは外用剤が,とくに粘膜によつて吸収されて全身性皮膚病変を発生してくるものをいつている。私の経験例のなかから,産婦人科と関連のあるものをあげると,分娩後外用したハイアミンによつて,腟陰門部に接触皮膚炎を発生してくるとともに,全身に滲出性紅斑型の中毒疹を発生してきたものがある。
また,近年問題になつているものは,薬剤として内用しなくても,それが食物中に添加剤として含まれているため,あたかも食物が原因であるようにみえることがあることである。
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