特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
IV.アレルギー性鼻炎と制御性T細胞
藤村孝志
1
Takashi Fujimura
1
1理化学研究所横浜研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター上級研究員
pp.702-709
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305040
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近年,制御性T細胞が自己免疫疾患をはじめとする様々な疾患において,病気の発症および症状の増悪の抑制に働いていることが明らかとなっている。アレルギー疾患の発症並びにアレルギー疾患に対する免疫療法による治療効果における制御性T細胞の関与も,ここ数年で知見が蓄積してきているが未だ確たる結論は出ていないように思われる。本稿では,アレルギー性鼻炎,特に季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)を中心に制御性T細胞の役割について,発症および免疫療法による治療の観点から,ヒトでの報告を中心に最新の知見を紹介する。