特集 自己炎症症候群:稀な遺伝性疾患からリウマチ・アレルギー疾患へのメッセージ
IV.高IgD症候群(hyperimmunoglobulinemia D and periodic fever syndrome:HIDS)
八角高裕
1
Takahiro Yasumi
1
1京都大学大学院医学研究科発生発達医学講座発達小児科学講師
pp.1424-1430
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201310038
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高IgD症候群は,コレステロール生合成経路に関わるメバロン酸キナーゼ(MK)の活性低下を原因とする周期性発熱症候群である。残存MK活性により,先天奇形や精神発達遅滞などを伴う重症型のメバロン酸尿症(酵素活性1%未満)と,軽症型である高IgD症候群(同1~10%)とに分類され,両疾患を連続性のあるメバロン酸キナーゼ欠損症(MKD)として捉えるのが現在の主流である。血清IgD値が高値である例が多いことが疾患名の由来であるが,乳幼児期にはIgDの上昇を認めない場合が多いため,診断には注意を要する。