特集 小児気管支喘息の難治化要因とその対策
VI.重症喘息の治療
足立雄一
1
Yuichi Adachi
1
1富山大学医学部小児科講師
pp.1325-1330
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201309075
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小児喘息全体から見れば重症喘息児の割合は小さいが,頻回の増悪による欠席や予定外・時間外受診は,喘息児や保護者にとって大きな負担になる。重症喘息の治療には,吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬の合剤が有効であるが,その安全性については未だ結論が出ていない。また,高用量の吸入ステロイド薬を用いても十分にコントロールできない例では抗IgE抗体による治療効果が期待される。さらに将来的には,IL-5やIL-13などサイトカインをターゲットとした抗体療法の可能性も示されている。