特集 小児気管支喘息の難治化要因とその対策
V.成人期に持ち越した喘息は難治か 2.内科医からみると
川上真樹
1
,
坂本芳雄
2
Masaki Kawakami
1
,
Yoshio Sakamoto
2
1公立学校共済組合関東中央病院呼吸器内科 医長
2公立学校共済組合関東中央病院呼吸器内科 部長
pp.1316-1322
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201309066
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成人期に持ち越した小児喘息の重症度についての詳細な検討は今まであまりなされていない。しかし,内科で診る難治性喘息患者の一定の割合は小児喘息と関連があると思われる。最近,難治性喘息のフェノタイプの解析により小児期発症の長期罹患群が重症難治化の一因としてあがっている。臨床的特徴は成人発症の難治性喘息と若干の違いがあり,病態にも差異が存在する可能性がある。同時に喘息関連遺伝子の解明も進んでおり,今後は発症時期や遺伝的要因などによる個別化治療の確立,および治療による長期予後の改善が期待される。