特集 気管支喘息の研究 アップデート
序 ~新しい治療戦略の開発をめざして~
大田健
1
Ken Ohta
1
1国立病院機構東京病院 院長
pp.953-956
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307009
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喘息は炎症とリモデリングを基本病態とする慢性炎症性気道疾患であり,その多様性から症候群として捉えられ,フェノタイプ,エンドタイプの概念が確立された。喘息の病態解明は基礎研究を出発点として臨床に反映され,現在も多くの治療標的の候補分子が報告され,一部では創薬に結びつき臨床研究の段階にある。とくに通常の治療薬でコントロールが得られない難治性喘息に対する治療では,分子標的治療という新たな治療戦略が提示されている。IgEを標的とした治療が有効である事実は,特異的免疫療法の復活を予期させるものである。