原著
季節性鼻アレルギーの鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性
大久保昌章
1
,
中島逸男
2
,
平林秀樹
2
,
春名眞一
2
Masaaki Okubo
1
,
Itsuo Nakajima
2
,
Hideki Hirabayashi
2
,
Shinichi Haruna
2
1おおくぼみみはなのどクリニック/獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
2獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
初期療法
,
鼻噴霧用ステロイド薬
,
服薬コンプライアンス
,
季節性鼻アレルギー
Keyword:
初期療法
,
鼻噴霧用ステロイド薬
,
服薬コンプライアンス
,
季節性鼻アレルギー
pp.614-619
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304138
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現在,2013年版鼻アレルギー診療ガイドライン1)において,季節性アレルギー性鼻炎の治療として,花粉飛散前に初期療法が推奨されている。しかし,治療選択肢の中に鼻噴霧用ステロイド薬の記載はまだない。そこで今回,当院における鼻噴霧用ステロイド薬の初期療法の有用性について患者アンケートならびに症状調査により検討した。 アンケート調査の結果から,鼻噴霧用ステロイド薬の使用頻度は55例中52例が毎日使用したと回答がされており,鼻噴霧用ステロイド薬の使用回数は,55例中41例で1日1回の使用が楽であると回答がされていた。また,主観的な症状に関しても,2012年シーズンよりも2011年シーズンの症状の方が良好であったとの回答はなく,2012年シーズンの症状は良好であった。 症状調査の結果からは,鼻噴霧用ステロイド薬を初期療法から使うことにより,前シーズンより症状に関して調子が悪いと回答した患者はおらず,症状調査においても鼻4症状(水っぱな0.837点,くしゃみ0.837点,鼻づまり0.714点,鼻のかゆみ0.592点)と平均点は1点(軽症)以下でコントロールされており,今後のアレルギー性鼻炎治療戦略での初期療法において,鼻噴霧用ステロイド薬の使用に関して有用性が確認された。