特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 12.胃食道逆流症(GERD)
清水泰生
1
,
土橋邦生
2
Yasuo Shimizu
1
,
Kunio Dobashi
2
1前橋赤十字病院呼吸器内科副部長
2群馬大学医学部保健学科教授
pp.586-592
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304110
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近年,胃食道逆流症(gastro-esophageal reflux disease;GERD)合併喘息患者に対するproton pump inhibitor(PPI)治療による喘息改善効果を検討した試験が欧米で複数行われた。その結果,気管支喘息にGERDは高率に合併するが,GERD治療による喘息改善効果が期待できる対象はGERD合併喘息患者の中で,GERD症状を有する患者であるとされ,GERD症状のないGERD合併喘息患者ではGERD治療による喘息改善効果が期待できないとされた。喘息の難治化要因としてGERDを疑う場合,定型的なPPI投与による治療でなく,患者からGERD症状の有無について十分聴取することが重要である。