特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 8.アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
土方寿聡
1
,
新実彰男
2
Hisatoshi Hijikata
1
,
Akio Niimi
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学
2名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学 教授
pp.552-557
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304076
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アレルギー性気管支肺真菌症はアスペルギルスをはじめとする真菌が原因となって生じるアレルギー性呼吸器疾患である。気管支喘息患者に発症することが多く,重症喘息ではさらに頻度が増加する。胸部異常影や血清総IgE高値,好酸球上昇などから本症が疑われるが,診断基準を全て満たさない症例も多く注意が必要である。ステロイド薬を中心とした治療を行い,抗真菌薬併用を必要とする例もある。難治例では,抗IgEモノクローナル抗体も期待されている。早期治療により,不可逆的変化を防ぐことが大切である。