Japanese
English
総 説
ウイルス感染誘発気管支喘息増悪の管理
Management of viral infection-induced asthma exacerbation
山谷睦雄
1
Mutsuo Yamaya
1
1東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座
pp.1422-1430
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510084
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呼吸器ウイルス感染症は気管支喘息発作(増悪)を引き起こし,呼吸困難などの症状や喘息死の原因となる。ウイルス感染は気道上皮傷害やムチン分泌,炎症細胞活性化を通じて気道過敏性を亢進し,増悪を引き起こす。これらの病態は呼吸機能の低下や気道リモデリングなどの長期的な病態にも関与する。治療薬の開発に伴い,増悪頻度や喘息死亡者数が減少してきた。吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬(ICS/LABA)の開発が大きく貢献している。ほかに,ロイコトリエン受容体拮抗薬や抗IgE抗体,テオフィリン製剤などの増悪抑制効果が報告されている。ICS/LABAなどのライノウイルス増殖抑制・抗炎症効果も報告され,増悪抑制効果との関連が示唆される。