特集 アトピー性皮膚炎―新旧治療のベストバランス
各論 既存の治療法 外用療法
アドヒアランス向上のために―なぜ外用しないのか
益田 浩司
1
MASUDA Koji
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
pp.85-88
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002210
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
慢性疾患であるアトピー性皮膚炎の診療では,患者や養育者が疾患の病態や治療の意義を十分に理解して積極的に治療方針の決定に参加し,その決定に従って積極的に治療を実行する姿勢を高めることに医療者が配慮することが大切である。治療の基本はステロイド外用薬や保湿剤を中心とした外用療法である。しかし実際の臨床において,患者やその家族が医師の指示通りきちんと外用していないため,症状が改善しない場合もしばしば経験する。治療アドヒアランスに関連する因子としては,① 患者に起因する要因,② 疾患に起因する要因,③ 治療に関する要因,④ 医療者に起因する要因などがある1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.