特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
序 ~難治性喘息に対する個別化医療を実践するために~
足立満
1
Mitsuru Adachi
1
1国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王病院アレルギー内科
pp.485-486
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304009
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喘息治療が大幅に進歩し喘息死が著しく減少している現在,喘息診療にあたる医師や医療関係者を最も悩ませる問題は難治性喘息の存在である。難治性喘息は定義や医療施設によりかなり異なるが,喘息患者の約1割程度存在すると報告されている。難治性喘息には種々の定義もあるが,JGL(本邦のガイドライン)の長期管理の重症持続型相当の患者を対象とする治療-高用量ICS(吸入ステロイド)+LABA(長時間作用性β2刺激薬),LTRA(ロイコトリエン受容体拮抗薬),徐放性テオフィリン製剤などの併用によるstep4の治療を行っても症状のコントロールが不良あるいは不十分な症例であり,その成因には多くの要因が存在する。