特集 アレルギー疾患における特異抗体の意義
I.免疫学的側面 3.ヒスタミン遊離因子(HRF)によるアレルギー炎症増悪メカニズム
柏倉淳一
1
,
川上裕子
2
,
川上敏明
3
Jun-ichi Kashiwakura
1
,
Yuko Kawakami
2
,
Toshiaki Kawakami
3
1独立行政法人理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター アレルギー研究ユニット
2Division of Cell Biology, La Jolla Institute for Allergy and Immunology
3独立行政法人理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター アレルギー研究ユニット/Division of Cell Biology, La Jolla Institute
pp.30-37
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201301030
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ヒスタミン遊離因子(histamine-releasing factor;HRF)はアレルギー炎症局所で検出される液性因子であることから,アレルギー炎症反応に関与することが示唆されていた。しかし,その詳細な作用機序は不明であった。我々はHRFの受容体が,ある種類のIgEやIgG(HRF反応性抗体)であり,HRFはこの抗体を介してマスト細胞を活性化し,アレルギー炎症を誘導することを証明した。本稿では,マスト細胞の活性化およびアレルギー疾患におけるHRFの役割について,最新の研究結果と今後の展望を含めて総説する。