Japanese
English
特集 成人肺炎診療ガイドライン2017 -残された課題と研究的視点を含めて-
8.肺炎の予防
Prevention of pneumonia
丸山貴也
1
Maruyama Takaya
1
1国立病院機構三重病院呼吸器内科
キーワード:
肺炎
,
予防
,
肺炎球菌ワクチン
,
誤嚥
Keyword:
肺炎
,
予防
,
肺炎球菌ワクチン
,
誤嚥
pp.89-98
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201801089
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肺炎は高齢になるにつれて,発症する頻度,重症化するリスクが高くなり,死亡者の95%以上を65歳以上の高齢者が占める。肺炎のもっとも頻度の高い原因微生物は肺炎球菌であるが,インフルエンザ感染後の二次感染による重症化も指摘されており,特に65歳以上の高齢者ではインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種が重要である。また高齢者では,加齢,基礎疾患,嚥下機能や咳嗽反射の低下,ADL(日常生活動作)の低下,低栄養などが原因で肺炎を発症しやすく,栄養管理,リハビリテーション,口腔ケアが重要である。「成人肺炎診療ガイドライン2017」では,高齢者肺炎の予防策としてインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用接種と口腔ケアを推奨しているが,薬物療法(ACE〔アンジオテンシン変換酵素〕阻害薬の投与による咳反射の改善,プロバイオティクスにより腸内のバリア機能を高めること)もまた,肺炎予防策として期待される。