特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
呼吸器内科
[呼吸器感染症]
肺炎診療:診断と予防を中心に
黒沼 幸治
1
1札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
キーワード:
市中肺炎
,
メタゲノム解析
,
肺炎球菌ワクチン
,
mRNAワクチン
Keyword:
市中肺炎
,
メタゲノム解析
,
肺炎球菌ワクチン
,
mRNAワクチン
pp.1123-1126
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1123
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Summary
▪本邦の肺炎診療の指針は「成人肺炎診療ガイドライン2017」として発行され参考としてきた.
▪肺炎の起炎菌の検索に用いる喀痰検査は,従来の培養法では30%程度は原因微生物不明となっていた.今後はmultiplex PCRを用いた病原微生物遺伝子の検出やメタゲノム解析により短時間で原因菌の同定,菌叢の定量的変化が検出されるようになる.
▪現在,市中肺炎に予防効果のある薬剤はインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンである.インフルエンザウイルスのワクチンとしてもmRNAワクチンは応用可能である.肺炎球菌はワクチン効果を高めるためにさらに多くの莢膜型を含むワクチンが開発されており,今後利用可能となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021