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特集 成人肺炎診療ガイドライン2017 -残された課題と研究的視点を含めて-
7.肺炎患者の治療選択における倫理的側面
Ethical aspect for the selection of antibiotics in pneumonia patients
宮下修行
1
Miyashita Naoyuki
1
1川崎医科大学総合内科学1 准教授
キーワード:
高齢者肺炎
,
誤嚥性肺炎
,
日常生活動作
,
QOL
,
健康寿命
Keyword:
高齢者肺炎
,
誤嚥性肺炎
,
日常生活動作
,
QOL
,
健康寿命
pp.81-88
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201801081
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わが国では肺炎が死因の第3位であり,死亡例の約97%は高齢者で,高齢者肺炎の多くは誤嚥が関与すると考えられている。高齢者は,基礎疾患がなくても一度肺炎に罹患すると入院を契機に身体機能が低下し,日常生活動作の低下する患者が多い。臥床が長期化すると足腰が弱り,それまでの日常診療に戻れなくなり,肺炎治癒後も自宅に帰れず,施設に転所するケースが多い。このような状況に陥った場合,肺炎をくり返す患者が多く,抗菌薬治療をくり返すことで耐性菌が出現するリスクも高まる。すなわち,高齢者では肺炎予防が重要であることは論を待たない。