Japanese
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特集 性感染症におけるup to date
8.梅毒の母子感染におけるup to date
Up to date on mother to child transmission of syphilis
齋藤昭彦
1
Saitoh Akihiko
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野 教授
キーワード:
梅毒
,
母子感染
,
先天梅毒
,
新生児
,
ペンシリンG
Keyword:
梅毒
,
母子感染
,
先天梅毒
,
新生児
,
ペンシリンG
pp.86-91
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201712086
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梅毒は妊婦に感染すると胎盤を通じて胎児に感染をきたし,先天梅毒をきたす。胎児への感染のリスクは,妊婦の感染時期,梅毒の病期,適切な治療の有無など,さまざまな因子によって規定される。国内での大きな問題点は,近年,国内での梅毒患者数が増加の一途をたどっていることであり,今後,妊婦の感染者も増加し,先天梅毒の症例数の増加が危惧される。先天梅毒は,妊婦への適切なスクリーニング検査と治療,児への適切な評価と治療によってその予防がほぼ可能な疾患であり,治療の閾値は低く設定しておく必要がある。一方で,母親からの移行抗体の影響で先天梅毒の血清学的検査結果の解釈とその診断は容易ではない。また,海外で標準的に使用されている薬剤が国内で使用できないという現実もある。