Japanese
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特集 乳幼児期のワクチンと感染症
2.B型肝炎ワクチン-B型肝炎ワクチンの定期接種化に向けて-
Hepatitis B vaccine-Action for universal HB vaccination in Japan-
藤澤知雄
1
Fujisawa Tomoo
1
1済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科 顧問/NPO法人日本小児肝臓研究所 理事長
キーワード:
B型肝炎
,
B型肝炎ワクチン
,
定期接種化
,
水平感染
,
母子感染
Keyword:
B型肝炎
,
B型肝炎ワクチン
,
定期接種化
,
水平感染
,
母子感染
pp.28-34
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201403028
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わが国では1985年から開始されたB型肝炎ウイルス(HBV)の母子感染防止策のみではHBV感染症は制圧できないことが明らかになった。すなわち,現行の母子感染予防法は複雑であり,予防不成功例が目立つこと,父子感染や祖父母からの家族内感染が無視できないこと,保育園などの施設内での感染も報告されていること,全国民を対象として世界的に標準なB型肝炎ワクチンを接種していないことも大きな要因であるが,わが国ではきわめてまれであった遺伝子型AのHBV感染が性感染症として若年成人を中心として急速に増加していること,HBVの一過性感染でもHBV遺伝子が肝細胞内に潜み,免疫抑制状態や化学療法などで再活性化ないし再出現すること,HBVに対する免疫(抗体)がないとHBV感染者への差別や偏見が一向になくならないことなど多くの問題点があげられる。このような理由から,母子感染予防法が改正され,B型肝炎ワクチンの定期接種化も時間の問題となっている。