Japanese
English
特集 感染症診療を変える新しい診断技術・検査法
3.臨床応用される注目の検査法 4)核酸クロマトグラフィー法
Nucleic acid chromatography
平塚真弘
1
,
齋藤雄大
2
Hiratsuka Masahiro
1
,
Saito Takahiro
2
1東北大学大学院薬学研究科生活習慣病治療薬学分野 准教授
2東北大学大学院薬学研究科生活習慣病治療薬学分野
キーワード:
核酸クロマトグラフィー
,
マラリア
,
原虫
,
診断法
Keyword:
核酸クロマトグラフィー
,
マラリア
,
原虫
,
診断法
pp.87-95
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201710087
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マラリア感染の診断の遅れは病態の重症化を招くため,迅速,簡便,高感度かつ複数の原虫種を特異的に検出できる診断法の開発が喫緊の課題になっている。一般的に,マラリア原虫の感染検査は光学顕微鏡観察法やイムノクロマトグラフィー法が利用されている。しかし,マラリア原虫種を区別する特異性は低く,種によって効果的な薬物が異なるため問題となっている。我々は最近開発された核酸クロマトグラフィー法を利用して,1時間程度で,5種のマラリア原虫感染の有無および種の特定をマルチプレックス診断できる方法を開発した。同法は高額な検出機器や煩雑な解析操作を必要としない特徴をもち,マラリア流行地域で実施可能な画期的な診断法となることが期待できる。